大腸内視鏡・胃カメラの専門クリニック
医療法人 桐山クリニック
〒370-0065 群馬県高崎市末広町235-8 (高崎駅から5分)
診療時間 | 月・木・金 9時から18時 火 9時から13時 土・日 9時から16時 (当院は予約制です) |
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休診日 | 水曜・祝日 |
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「健診の胃カメラで鳥肌胃炎といわれ、ピロリ菌がいるといわれました。大丈夫でしょうか。」というような経過で受診される方が結構いらっしゃいます。
鳥肌胃炎はピロリ菌感染による胃炎の一つのタイプです。若い方に多く、内視鏡では胃の出口付近の前庭部に細かな顆粒状隆起が認められ鳥肌のように見えます。炎症は前庭部だけでなく胃粘膜全体に広がっていることが多く、ほかの場所にも強い炎症を認めることが多い胃炎です。
鳥肌胃炎の問題点は、胃粘膜の萎縮が進んでくる前に、未分化型胃がんができやすい事です。この未分化型胃がんは悪性度が高く、粘膜の下などに広がりやすい特徴を持つため、結果スキルス胃がんにつながることが多いといわれています。
日本人に多い慢性胃炎の原因となるピロリ菌は5歳頃までの幼少期に感染を起こし、その後症状は無いものの胃粘膜には炎症を引き起こしている状態が続くと考えられています。顕在化するのは20歳代以降と言われています。その後徐々に萎縮性変化という胃粘膜が薄くなる胃粘膜の老化が起こります。
ピロリ菌感染については、内視鏡検査を行い胃のなかにピロリ菌感染の所見が認められるかどうかが極めて重要です。そのような所見がある場合には、ピロリ菌のチェックを行います。内視鏡中に行う迅速ウレアーゼ試験(胃粘膜から組織を2か所採取しウレアーゼ活性を調べる検査)や血清抗体、呼気テスト、便中抗原などの検査方法があります。
感染が認められ、薬剤アレルギーや重篤な腎疾患などがなく除菌治療の適応と判断されれば除菌治療を行います。除菌後は治療後4週以上の間隔をあけたのちにピロリ菌感染がなくなったかどうか判定を行います。学会等で推奨されているのは尿素呼気試験と便中抗原のいずれかになっており、当院では主に尿素呼気試験により判定を行います。
「除菌治療を受けたのにまた感染してしまうのでしょうか。」という内容もよく診療時に質問されます。
一度消えたのにまた陽性になってしまう事は除菌した方の約1%程度に見られるとも言われていますが、その多くは判定検査の偽陰性といって完全には消えていないのに検査の結果では見かけ上マイナスになってしまった場合におこると考えられています。
検査結果ではマイナスでもわずかに残ったピロリ菌が時間とともに増えると再陽性化します。
また日本の現在の衛生環境では感染は制限されますが、海外旅行など特に長期出張や留学などでピロリ菌感染のまだまだ多いアジア圏で新たに感染してしまう方もいます。帰国時に健診として行う内視鏡検査でピロリ菌感染の胃炎を認める方もいます。
また除菌後もピロリ抗体は基準値より高めにでます。除菌してそれほど時間が経っていないときは要注意です。健診のオプション等でピロリ抗体を測定すると依然高い値とでてしまう事があります。陽性判定となってまたピロリになったと嘆く人もいます。これはピロリ抗体の陰性化には時間がかかるためと考えられます。間違った判断の原因ともなりかねず、除菌後のピロリ抗体は参考にならないので注意が必要です。
除菌治療前の胃粘膜の炎症が強い方や萎縮変化が目立つ方は胃がん発生のハイリスクと考えられます。ピロリ菌感染の治療で大切なことは、除菌をして終了ではなく、除菌後も胃がん発生のリスクを念頭において定期的な内視鏡検査を行うことが大切です。現在胃がんは早期発見の場合には内視鏡切除で胃を切除しなくとも根治ができる可能性があります。正しい治療と定期検査を忘れないようにしましょう。
桐山クリニックではピロリ除菌治療やその後の定期的な内視鏡検査、胃がん早期発見のつらくない内視鏡検査を行っております。気になる症状がある方は、遠慮なくお問い合わせ・ご来院ください。
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