最新システムによる内視鏡検査と診断

最近では、ヘリコバクター・ピロリ除菌後の胃がんのチェックのために検査を受けられる方も多くなっています。

以前は国民病とも言われた胃がんですが、ピロリ除菌の効果や内視鏡技術の進歩、手術治療・抗がん剤治療などの進歩により、日本のがん統計では胃がん死亡率は低下しつつあります。

ただなお進行癌として見つかることもあるのが胃がんです。

ピロリ除菌治療は胃がんリスクを少しでも減らすことのできる大変優れた治療です。しかし除菌でピロリ菌は駆除されますが、ピロリ除菌後の胃がんは非常に見つけにくくなることが、学会などで報告されています。

そのため、内視鏡医療を専門としている医師の多くは、除菌後の方の内視鏡検査は非常に意識して検査をしています。

当院で内視鏡検査を受けられる方の中にも、除菌治療を受けたけれど、除菌が成功したかどうかわからないと言う方が大変多くいらっしゃいます。

除菌治療そのものは必要なお薬を処方し内服していただくでけであり一般内科でも行えます。しかし大切なことは、除菌治療は胃がんにならないようにするために行っているということです。

除菌治療を受けた方には、まず確実に除菌できているかどうかの確認と、見つけにくいと言われる除菌後の胃がんが発生していないか定期的な検査を行う事が大切です。

除菌後胃がんは凹凸のある粘膜の中で発見しにくいため、内視鏡を専門に行っている施設で内視鏡検査を受けることが勧められます。また最新の内視鏡技術として胃炎をより強調し、その中に胃がんを目立たせて色の違いとして浮かび上がるように発見しやすくするレーザー内視鏡による最新技術があります。このシステムにより胃炎で荒れた胃の粘膜の中から、早期胃がんを発見することが可能となってきています。

当院でも積極的にこの内視鏡システムを導入しています。レーザー内視鏡の導入で、従来暗くなりがちだった細経内視鏡でもしっかり胃内の観察ができます。早期胃癌を発見することもしばしばあります。

ただこのシステムを使えば良いわけではなく、基本的な胃がんの発見・診断能が重要なことはもちろんです。導入していてもその性能を有効に利用できていなければ役に立ちません。今後はこのような最新システムの機能を上乗せして、少しでも発見をできるように最新機器を導入している医療施設で検査を受けていく必要があります。

ぜひ安心して、楽にそして信頼ある内視鏡検査を受けて、健やかな毎日の暮らしを迎えましょう。